足がつる
足がつった~
寒い朝方や寒い日中でも足がつってしまう…とお客様から相談を受けることがあります。
糖尿病など持病との関係もありますが、特に持病のない方でも年齢に関係なく、意外な落とし穴があるのです。
第1は、やはり寒さに対する、生理的な防衛反応です。
体幹部の深部体温保護のために、四肢の血流量を減らします。その結果、下肢は冷えて筋肉が緊張します。
からだの柔らかい方との個人差はありますが、中年以降は特に日ごろからストレッチなどで筋肉を伸ばし、柔軟性を確保していないと筋肉の少しの緊張でつった状態に陥ります。
そもそも、筋肉は収縮作用しかできず、何もしなくても硬くなる性質を持っています。
第2は、脱水症状によって引き起こされるものです。
脱水症状と聞くと、熱中症を思い浮かべ、この寒い時期にねぇ~…という反応でしょう。
日ごろから、利尿作用のある飲み物を摂取する機会が多い方は、からだの中が慢性的に脱水傾向(水分不足)になっています。
こういった方は寒さに関係する夜間よりも、日中の何気ない動作でも足がつったとか、違和感がでることがあります。
そのような方に脱水症状とお話ししても、「汗もかかないのにね~」と今一つの反応なのですが、一日を通して飲んでいる物をお訊ねすると合致することが多々あります。
このような方には、スポーツドリンクを常温で構わないのですが、水で2倍に薄めて摂取することをお勧めしています。
特に健康に問題のない方が冬場に足がつる原因は、このように2つの原因を私は考えていますが、女性のお客様にはもう1つ挙げます。
女性はカルシウムが減りがち
閉経に伴い、骨粗鬆症は女性にとっては切っても切れない関係です。
この骨(カルシウム)が筋肉の収縮と弛緩に絶対に必要になっています。
老若男女に関係なくカルシウムは使われるのですが、閉経後に体内のカルシウム量が減少して、結果的に足がつる状態になってしまう場合もあります。
このようにならないためにも、日ごろから小魚を骨ごと食べ、予防したいものです。
腓腹筋、ヒラメ筋に注目
冷えと脱水以外に関連して足がつることがあります。
お客様の訴える「足のつり」は大部分が足の裏、甲側の指,ふくらはぎに分かれます。
ここでは、ふくらはぎに注目します。
よく「こむら返り」などと呼ばれる「ふくらはぎのつり」ですが、下腿三頭筋という筋肉が関係しています。
この下腿三頭筋には腓腹筋とヒラメ筋があります。
日ごろからスポーツに慣れ親しんでいる方は圧倒的に前者の腓腹筋が発達していて、筋肉疲労の結果、つってしまうことが多いと想像できます。
しかしながら、中年以降で特に健康に問題がなく、過激な筋肉疲労をさせるような運動をするわけでもない方から「つる」を訴えられる機会が意外と多くあります。
そのような方は、施術中にも「つる」ことが多く、しばしば施術を中断して、ふくらはぎを伸ばして応急処置をしています。
腓腹筋とヒラメ筋の役割の違い
このような場合は、もう一方のヒラメ筋が緊張していることが多々あります。
では、なぜヒラメ筋を疲労させているのか考えてみましょう。
このヒラメ筋は、生活の中で無意識に使われている筋肉です。日常、健康な方は誰しも立つことがあると思います。
人はただ、立っているのではなく、常に重心をその場所に保つために、様々な筋肉を緊張させて微調整を繰り返しています。そういった筋肉のひとつにヒラメ筋は大きな役割を果たしています。
歩いたり、走ったりする時には腓腹筋を使い、立っている時にはヒラメ筋を主に使っているのです。
気づきましたか。立ち話が長くなると足が疲れてくるのはこのためですよ。また、立ち仕事の方が足の疲れを訴えてくるのも、往々にして同じ場合が多いです。
スポーツでも、ゴルフなどのように踏み出すことなく、その場で体重移動があるものは、腓腹筋もありますが、上達するほどにヒラメ筋を傷めていらっしゃるようです。
腓腹筋を伸ばすのは、よく知られている「アキレス腱伸ばし」で構いませんがヒラメ筋を伸ばすのは、少々異なります。
伸ばす側の足を一歩、後ろに引きます。その状態で、伸ばす側の足のカカトが床から離れないように
ゆっくりと腰を落としていく要領でジンワリ伸ばしていきます。気になる方はお試しください。
もちろん、施術を受ければ、より効果的です。はい!